キュンチョメ個展 魂の色は青

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《海の中に祈りを溶かす》2022-2023年、映像
《金魚と海を渡る》2022年、映像
《ためいきでうかぶ》2022 年、映像

キュンチョメ個展 魂の色は青

2023年10月7日(土)-12月17日(日)

 

キュンチョメ(ホンマエリ、ナブチ)は、制作行為を「新しい祈り」と捉え、様々な社会問題や自然災害、そこに関わる人々と正面から向き合い、複雑に絡まる感情や交錯する意見を反映させながら真摯に作品に昇華させてきました。

2022年以降は、フィリピンやハワイに滞在し現地の圧倒的な自然や、多様な価値観に触れ、思考を大きく更新させています。そして現在、海や大地、あるいは地球そのものに全身全霊で関わりながら「新しい幸福」の在り方を模索しています。

展示作品11点は全て新作で、海で制作された作品を中心に構成されます。作家は近年、様々な方法で海に潜り続けてきました。全身の力を抜き、環境に身を委ね、息を止めて海の深くまで行き、再び海面へ浮上する。そこでようやく、おもいっきり息を吸います。その「呼吸」は生の実感であると共に、世界と出会い直す瞬間であったのかもしれません。そのような数々の自然体験と共につくられた作品は、詩的でユーモラスな行為を通して幸福の探求へとつながっていきます。

また、海辺近くのカフェや、展覧会場の外にも作品が点在しており、美術館内だけでなく黒部の自然に触れながら作品と出会う構成になっています。会期初めの10月から11月にかけての一ヶ月は作家が現地に滞在し、「深呼吸を持ち帰る」ためのワークショップが定期開催されるほか、「記憶のアイスクリーム」(アイスクリームの記憶とアイスクリームを交換する作品)が突発的に開催されます。

本展覧会で提示される「新しい幸福」が、様々な不安や緊張が存在するこの時代を、共にしなやかに生きるための一つの指針となれば幸いです。


出品作家

キュンチョメ
(ホンマエリ、ナブチ)

2011年からアーティストとしての活動を開始。2014年の第17回岡本太郎現代芸術賞 太郎賞受賞以降、更なる飛躍を遂げ、活動の場を広げてきた。近年の展覧会では、「KANTEN観展」(apexart(ニューヨーク)2023)、「六本木クロッシング2022:往来オーライ!」(森美術館 2022)、「シアターコモンズ’22」(東京 2022)、Compassionate Grounds: Ten Years on in Tohoku(Composite, Collingwood Arts Precinct(メルボルン)2020)、「現在地:未来の地図を描くために[1]」(金沢21世紀美術館 2019)、「あいちトリエンナーレ2019」(愛知 2019)等国内外から多くの招聘を受ける。
同時に、活動当初から、自主企画によっても精力的な個展を開催してきており、「クチがケガレになった日、私は唾液で花を育てようと思った」(NICA,東京 2021)、「ここにいるあなたへ」(民家2軒,神奈川 2021)、「なにかにつながっている」(新宿眼科画廊 東京 2014)他、その活動は常に注目を集めてきた。 

https://www.kyunchome.com/


幸せのための作品を作りたいな、とおもいました。
それは実は、小石一つでもできてしまうのかもしれません。4月のある日、私は海辺に寝転がって「自分のヘソにあう石」を探しました。いくつか石を手に取って、一つずつヘソにはめていくと、ある一つの石がぴたりと私のヘソにハマりました。その石は太陽の熱をたくさん吸収していて、私の体の真ん中からその熱がじんわりと伝わってきました。それはなんだか地球と自分の体がもう一度繋がったような、不思議で幸せな感覚でした。

今回の展示では、海とか、太陽とか、小石とか、呼吸とか、郵便物とか、そんなものを通して幸せのための場所を作ります。ちょっと特別なコーヒーを飲める場所も用意しました。時々アイスクリームも現れます。

黒部市美術館はもしかするとあなたが住んでいる場所からは遠いかもしれません。でもここには凄く立派な山があって、海があって、思い切り深呼吸ができるような場所です。そんな場所でこそ見てほしいと思えるものができました。だからぜひ、少し時間を作って来てください。あなたがこの場所で幸せな時間を過ごせますように、心から願っています。

キュンチョメ


本展のポイント

1)
2022年から2023年にかけてフィリピンやハワイを中心に制作された新作11点を一挙公開します。圧倒的な自然体験をもとに、考えを大きく更新させたキュンチョメの、現在の関心を反映した展覧会となります。本展では、身体や呼吸、想像力を通して、新しい幸福の追求を行います。また本展覧会は作品を見るだけではなく、観客が自分自身の呼吸を思い返すことや、自然とつながり直す機会を提案します。
そのため、お時間ございましたらぜひワークショップやサテライト展示にもご参加くださいませ。

2)
海の音、呼吸の音が聞こえる展示空間で、呼吸を重視したヨガのワークショップ『深呼吸を持ち帰る』を実施します(期間中4回程度)。参加者が呼吸に改めて意識的になること、自身の呼吸を取り戻すとともに、身体に立ち返りゆっくりと向き合ってみることも重視しています。

3)
展覧会全体を通して鑑賞者の身体あるいは五感に働きかけ、様々な想像力を喚起します。例えば、海の近くのカフェでは特別なコーヒーが飲める他、美術館の立地する公園内で自身の記憶とアイスクリームを交換する作品の実施、洗濯物に関する作品、一滴の海と共に散歩をする作品などが展示され、美術館の延長線上にある自然と出会いなおすような体験を促します。

4)
公立美術館においてのキュンチョメの初個展となります。


休 館 日

月曜日(但し10月9日開館)、10月10日・11日、11月24日

開館時間

午前9時30分-午後4時30分(入館は午後4時まで)

閲 覧 料

一般500円(400円)、高校・大学生400円(300円)
( )内は20名様以上の団体料金 
*中学生以下無料 *障害者等手帳をお持ちの方と付添1名無料


主  催

黒部市美術館[公益財団法人黒部市国際文化センター]

共  催

黒部市、黒部市教育委員会

助  成

公益財団法人朝日新聞文化財団、公益財団法人熊谷正寿文化財団、
一般財団法人自治総合センター

  

北洋の館、ARTISTS’ GUILD、富山ガラス工房

後  援

北日本新聞社、北日本放送、富山テレビ放送、チューリップテレビ、みら~れTV、新川コミュニティ放送


イベント

「オープニングセレモニー&アーティストトーク」*終了しました
10月7日(土)11:00~11:45頃
会 場|黒部市美術館
*展覧会観覧券が必要です。
*トーク終了後に、体験型作品の「記憶のアイスクリーム」が行われます。


「記憶のアイスクリーム」*終了しました
アイスクリームに関する思い出と、本物のアイスクリームを交換いたします。
10月中(2~3回程度、不定期)
会 場|黒部市美術館 入り口付近


「深呼吸を持ち帰る/地球コーヒー」 *終了しました
10月はキュンチョメ参加!
10月14日(土)終了しました
10月21日(土)終了しました
11月11日(土)終了しました
12月9日(土)終了しました
会 場|黒部市美術館 展示室


「見て!感じて!作品鑑賞ツアー」 *終了しました
10月27日(金)10:00~15:45頃
案 内|キュンチョメ、尺戸智佳子(企画担当学芸員)
申し込み|黒部市生涯学習文化スクエア「ぷらっと」 tel:0765-65-1810
(受付期間9月15日(金)~10月15日(日))


とみだい☆ぺけぺけアートショップin黒部市美術館 *終了しました
富山大学の学生さん主動の展覧会を楽しむ小学生向けワークショップ♪
11月18日(土) 
午前の部 10時〜12時(定員 10人)   
午後の部 13時〜15時(定員 10人)
会 場|黒部市美術館
共 催|富山大学教育学部隅研究室


サテライト

「地球コーヒー」
期 間|10月7日(土)~12月17日(日)
販売場所|北洋の館 カフェ(黒部市生地芦崎字下浦330)
営業時間|10:00~17:00
定休日|火曜日、水曜日
販売価格|500円 *キュンチョメ展チケット半券提示で400円になります!