《infinity~mirage》プロジェクト

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山下麻衣+小林直人《infinity~mirage》m型看板設置風景 2021年 撮影:柳原良平
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画像提供:魚津埋没林博物館 2021年9月24日6:30頃、早月川河口右岸から撮影
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山下麻衣+小林直人《infinity~mirage》ライブ配信映像のスチル、2021年
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山下麻衣+小林直人《infinity~mirage》ライブ配信映像のスチル、2021年
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山下麻衣+小林直人《infinity~mirage》ライブ配信映像のスチル、2021年

《infinity~mirage》プロジェクト
会期:2023年4月24日(月) – 2024年3月15日(金)頃予定

《infinity~mirage》プロジェクト
会期:2023年4月24日(月) – 2024年3月15日(金)頃予定


 《infinity~mirage》プロジェクトは黒部市美術館と魚津埋没林博物館が中心となり実施するものです。2021年に黒部市美術館において行われた展覧会「山下麻衣+小林直人「蜃気楼か。」」で出品された《infinity~mirage》を再び設置することから始まります。
 《infinity~mirage》は、黒部市生地海岸の護岸堤に横14.1メートル高さ2.3メートルの「m」型看板を設置し、対岸の魚津市の海岸から観察すると、看板の「m」と、下位蜃気楼(景色が下に反転して見える現象)により看板が下に反転した像とが繋がって見えることで「∞」が作られるという作品です。また、その様子を随時ライブカメラで配信し鑑賞/観察するもので、地域特有の現象でありながら、世界のどこからでも作品やこの地域の蜃気楼に接続が可能となります。
 2021年度、黒部市美術館で実施された作品設置期間(秋~冬)において「∞」を描いた日数は39日/86日でした。日によって数分から数時間、稀にほぼ1日継続して見られる現象であることが魚津埋没林博物館の観察により分かりました。そして、「∞」を描かない時でも「m」が上下に向き合った形や、「〇〇」のような形、刻々と変化する風景の見え方を楽しむことができたとともに、蜃気楼の発生の様子が非常に分かりやすく観察できるものでした。
 富山湾の蜃気楼を生かした本作を通して、地域資源を文化資源や観光資源へと変換し、感性的な共感や学識的な興味へと開きます。かつ、芸術と科学の多面的な学びの機会へ接続させることで、分野や目的を越えたグラデーションの学びの機会、あるいは、人々の日常生活に海や自然との多様な接点を生み出すなど、無限の可能性を秘めたプロジェクトです。

―――
 蜃気楼について、私たちは(おそらく皆さんも)すっかり誤解していて、あるはずのない景色が突如浮かび上がる不思議な現象かと思っていた。けれど実際には、光が冷たい空気と暖かい空気の間を通る際にカーブする事で、遠くにある景色が上や下に反転して見える科学的な現象なのだそうだ。
 蜃気楼で有名な黒部の生地海岸に、私たちは大きなmに似た形の看板を設置する。
 気まぐれな蜃気楼によって大きな∞が出現するのを期待しているのだが、実際はどうなるかさっぱり分からない。ちなみに映像に映っている水面も、本当は地球の丸みのせいで隠れて見えないはずの場所が、大気によって光が屈折して見えている「見かけの水面」らしい。
 不確かな時代と耳にするが、私たちが見ているこの世界自体、もともと蜃気楼のように不確かで「見かけ」のものなのかもしれない、とか思う。

山下麻衣+小林直人(「infinity~mirage」テキストより)

山下麻衣+小林直人

山下麻衣 Mai Yamashita(1976年、千葉県生まれ)
小林直人 Naoto Kobayashi(1974年、千葉県生まれ

山下、小林

 2001年よりユニット活動を開始。東京藝術大学を修了後、ドイツに渡り、キュンストラーハウス・ベタニエン(ドイツ、2010年)、ISCP(アメリカ、2011年)、ミュージアムクォーター(オーストリア、2014年)等、海外のレジデンスプログラムに参加し、現在は千葉県を拠点に活動。
 クンストハレ・ゲッティンゲン(ドイツ、2011年)、小山市立車屋美術館(2015年)、黒部市美術館(2021年)、千葉県立美術館(2023年)等で個展を開催する他、あいちトリエンナーレ2010、横浜トリエンナーレ2011、瀬戸内国際芸術祭2019等の国際芸術祭や、キアズマ現代美術館(フィンランド、2006年)、MARCO -ヴィーゴ現代美術館(スペイン、2010年)、 MOCA -台北當代藝術館(台湾、2011年)、水戸芸術館現代美術ギャラリー(2015年)、ポンピドゥーセンター・マラガ(スペイン、2018年)、ニューサウスウェールズ州立美術館(オーストラリア、2020年)等のグループ展に招聘され国際的に発表を続けている。


看板設置期間

2023年4月24日(月)~2024年3月15日(金)頃予定

ライブ配信時期

2023年4月28日(金)~2024年3月15日(金)頃予定
(仮配信 2023年4月24日(月)~4月27日(木))


場所の案内

《infinity ~ mirage》「m」型看板屋外設置場所
〒938-0083 富山県黒部市生地阿弥陀堂1068-1
(作品は堤防の海側に設置されています。荒天時は危険ですので鑑賞はお控え下さい。)
《infinity ~ mirage》ライブ配信用カメラ設置場所
海の駅 蜃気楼
〒937-0053 富山県魚津市村木町 定坊割2500-2

【公共交通機関をご利用の場合】
E-Bikeのレンタル(魚津駅前観光案内所、海の駅蜃気楼)
https://www.city.uozu.toyama.jp/guide/svGuideDtl.aspx?servno=1762

魚津埋没林博物館や海の駅蜃気楼から、m型看板設置場所である黒部市生地地域までは、海沿いの道が概ねサイクリングロードとして整備されています!距離は、10km程度です(往復20km程度)。ぜひご利用くださいませ。

●その他の方法
(バスや電車の往来間隔が1時間に1本程度となり終了時間が早いものも含まれます。ご利用の際は必ず時間をご確認ください。)

《黒部市美術館からmへ》
〇生地循環線「生地駅」方面
(美術館から徒歩12分)「生地中区藤が丘クリニック前」から乗車、「生地大町」または「阿弥陀堂」下車して徒歩約7分
http://www.kurobe-koukyoukoutsuu.jp/bus/chitetsub-mikkaichi/

《魚津埋没林博物館・海の駅蜃気楼からmへ》
〇あいの風とやま鉄道魚津駅「生地駅」方面
(魚津埋没林博物館等から徒歩約20分)あいの風とやま鉄道「魚津駅」から乗車「生地駅」で下車、生地循環線「電鉄黒部駅・黒部駅・道の駅KOKOくろべ」方面へ乗車、「生地大町」下車して徒歩約7分
https://trafficinfo.ainokaze.co.jp/timetable/uozu
http://www.kurobe-koukyoukoutsuu.jp/bus/chitetsub-mikkaichi/

《mから駅へ》
【富山地方鉄道電鉄黒部駅、あいの風とやま鉄道黒部駅へ(新幹線ご利用の際、黒部駅から乗り換え)】

生地循環線「電鉄黒部駅・黒部駅・道の駅KOKOくろべ」方面
(屋外設置作品から徒歩7分)「生地大町」から乗車、「電鉄黒部駅」もしくは「黒部駅前」下車
http://www.kurobe-koukyoukoutsuu.jp/bus/chitetsub-mikkaichi/
【新幹線黒部宇奈月温泉駅へ(平日のみ。土日祝は要予約)】
〇新幹線生地線「黒部宇奈月温泉駅」方面
(屋外設置作品から徒歩16分)「魚の駅生地」から乗車、「黒部宇奈月温泉駅」下車
http://www.kurobe-koukyoukoutsuu.jp/bus/sonotab-ikuji/
【あいの風とやま鉄道生地駅へ】
〇生地循環線「生地駅」方面
(屋外設置作品から徒歩7分)「生地大町」から乗車、「生地駅」下車
http://www.kurobe-koukyoukoutsuu.jp/bus/chitetsub-mikkaichi/


主  催

黒部市美術館・魚津埋没林博物館《infinity~mirage》実行委員会

共  催

黒部市、魚津市、黒部市教育委員会、魚津市教育委員会

助  成

一般社団法人北陸地域づくり協会

協  力

富山大学理学部青木研究室、情報科学芸術大学院大学 [IAMAS]松井研究室、日本蜃気楼協議会魚津蜃気楼研究会、生地自治振興会、立山黒部ジオパーク協会魚津市観光協会黒部・宇奈月温泉観光局黒部市吉田科学館、他

企画担当

尺戸智佳子(黒部市美術館)、佐藤真樹(魚津埋没林博物館)